今回の記事は8/19に開催したスピードクライミング体験講習の様子について書いていきます。
参加された方がとても楽しそうに登っていて、この講習を開催して良かったなぁ〜と思いました。
講習の開催前に、事前予習として僕も1日スピードクライミングの練習をしたのですが、とても面白い競技だと感じました。
スピードクライミングは面白い
今回の体験講習は神奈川県山岳スポーツセンターで開催しました。
山に囲まれた自然豊かな土地で、日頃の喧騒から解放されてとても気持ちが良かったです。
到着後、まずはウォーミングアップからスタート。
スピードウォールの難易度は10d〜11a程度と言われています。
ホールド間の距離が遠いポイントもあるので、トラバース壁でしっかりと体を動かして準備を整えました。
その後、山岳スポーツセンターでのスピードウォール使用時のルールや、競技についての解説をした後、1本目はタイムを気にせず普通に登ってもらいました。
実際に登ってみると、競技をやっている方の凄さが分かると思います。
15メートルという人工壁としてはそこそこ高い壁で、95°のオーバーハングの11aを男子の世界記録では5.00秒(2022年9月現在)で登ってしまうのです。
※女子は6.53秒
初見トライのタイムは個人差があると思いますが、1分程度かかることは普通です。
登攀能力が高い方でも30秒程度はかかると思います。
それより早く登るには事前にムーブを予習する必要があるかもしれません。
タイムを縮めていく
最初の何本かはただ我武者羅に早く登ってもタイムが縮まると思いますが、すぐに頭打ちになりますしとても疲弊します。
現在の自分のレベルで可能で、尚且つ早く登れるムーブを探し、選択して、動きを洗練させていく作業が必要です。
そしてこの作業がとても面白いと僕は思います。
参考にする先人達が考えたムーブは結構難しく、その発想にはとても感心します。
そしてムーブができてもスピーディーにロス無くこなす事ができなければ、タイムは縮まりません。
スピードクライミングはホールドの配置が決まっていて毎回同じルートで競技を行いますが、登り方を追求するには多大な時間とエネルギーが必要だと感じました。
自分の登りをチェックして修正を繰り返す
今回の講習では全てのトライを動画に撮り、毎回自分の登りを確認して、次のトライはどこを修正すれば早くなるか考えてから登るようにしました。
早く登りたくてうずうずしたり、確認が面倒臭くなってしまったりするかもしれませんが、大切な作業なのでしっかりやってもらいました。
修正が上手くいったかタイムが証明してくれるのがスピードクライミングの良い所です。
タイム更新の度に上達が実感できます。
ムーブについて考える
スピードクライミングでは大きいホールドに下から順番に番号をふってあって、ムーブの話をする時は「○番のホールドを取る時は〜」というように会話をします。
今回の講習でもこの番号を使ってムーブの会話をしました。
ホールドが全て同じなので番号で会話をしないと訳が分からないカオスな状態になります。
ホールドを飛ばすムーブ
実はスピードクライミングの選手はかなりの数のホールドを飛ばしています。
例えば男子のスピードジャパンカップの決勝の映像を見ると、多くの選手が4番、9番、17番のホールドと沢山の小ホールドを使っていません。
※使うホールドの選択は選手によって大分異なります。
参加された方はスピードウォールを見ながら4番を飛ばす事実に驚愕していました。
現在多く選手が採用している4番を飛ばすトモアスキップと呼ばれるムーブは、アダムオンドラがこのパートだけで1級ぐらいの難易度があると言ったそうです。
※又聞きなので本当に言ったかは知りません。
僕も事前予習の際にトモアスキップのムーブ確認をした時「遠っ!」と思いました。
やってみましたが、たしかに1級ぐらいの難易度があるかもしれません。
4番のホールドを飛ばして5番をキャッチすることはすぐにできましたが、5番をキャッチした後に勢いを殺さずに6番をとることが難しかったです。
ホールドを飛ばせても勢いが止まってしまってはスピードのロスが発生します。
ホールドを飛ばすムーブは他にも12番を飛ばすマルチンや14番を飛ばすサブリなどがあります。
講習では僕の知人がウォーミングアップで登る時のムーブを参考にしながら、それぞれ自分でムーブを組み立てスピードアップに取り組みました。
登り終わったら毎回動画で自分のムーブを確認し、修正点を決めて次のトライを行います。
結果的に今回の参加者は、2人とも初見トライからタイムが半分くらい縮まりました。
とても楽しい講習になりました!
とても楽しんでいただけたようで良かったです。
スピードクライミングはできる施設や機会が少ないと思いますが、やってみたら自分に合っていて楽しく感じたり、才能が開花したりするかもしれません。
クライミングを仕事にしている以上、スピードも機会提供の場を作りたいという思いがありますので、また体験講習を開催したいと考えています。
もし良かったら気になった方は次回参加してみてくださいね〜。
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